

Alaska
2025年の夏、長年訪れてみたかったアラスカを旅しました。
船が静かに湾へ入っていくと、目の前に広がったのは、深い青色の海と雪を残した荒々しい山々。
低く垂れ込めた雲が山肌をゆっくりと流れ、海面には氷河から流れ出した小さな氷が無数に浮かんでいました。
華やかな景色ではないけれど、その静けさと圧倒的なスケールに、しばらく言葉を失います。
時折、雲の切れ間から光が差し込み、氷河の水を含んだ海が淡いエメラルドブルーに輝く。
その光景はほんの数分で姿を変えてしまいます。
カメラを構えながら、自然が見せる一瞬の表情を逃さないよう、何度もシャッターを切りました。
30年以上、世界各地を旅しながら写真を撮ってきましたが、アラスカの風景には、ヨーロッパの街並みや雄大な山岳地帯とはまったく違う魅力があります。
人の手がほとんど入っていない、地球本来の姿。
静かな海を進む船の上で聞こえるのは、風の音と、遠くで氷が崩れるような低い響きだけでした。
写真では、この場所の冷たい空気や静寂まで伝えることは難しいかもしれません。
それでも、暗い山並みを包む霧、青く澄んだ海、白く浮かぶ氷のかけらを眺めていると、あの日の感動が鮮明によみがえります。
同じ風景には、きっと二度と出会えない。
だからこそ旅を続け、心が動いた瞬間を一枚の写真に残していきたいと思います。
アラスカは、地球の大きさと美しさを改めて教えてくれた、忘れられない旅になりました。

Canadian Rockies
2026年8月、半月ほどかけてカナディアンロッキーを巡る撮影旅行へ出かけました。長年、世界各地の風景を撮り歩いてきましたが、目の前に広がるロッキーの雄大さには、あらためて自然の力を感じさせられます。
この一枚は、アイスフィールド・パークウェイ沿いにあるペイト湖。
カナディアンロッキーを代表する定番の撮影スポットですが、天候や光、雲の流れによって、その表情は刻々と変化します。
展望台に立つと、氷河から流れ込む水によって生まれた鮮やかなターコイズブルーの湖が、深い森の中に静かに横たわっていました。夕暮れの柔らかな光が山肌と雲を黄金色に染め、谷間には長い影が伸びていきます。
湖面には空の光が淡く映り込み、まるで大自然が描いた一枚の絵画を眺めているようでした。
有名な場所だからこそ、誰かと同じ写真ではなく、その瞬間に自分が感じた空気や光を写し取りたい。
シャッターを切りながら、そんな思いが強くなりました。
写真は、旅の記録であると同時に、その場所で心が動いた瞬間の記憶でもあります。
カメラを通して出会った世界の美しさを、これからも一枚ずつ丁寧に残していきたいと思います。

日本を出国して4日目。
カルガリーでレンタカーを借り、ようやく辿り着いたバンフ国立公園。
最初に向かったのは、バーミリオン湖の湖畔だった。
車を降りると、聞こえてくるのは風が木々を揺らす音だけ。
目の前には静かな湖面が広がり、針葉樹の森と霞んだ山々が水面に淡く映り込んでいる。
観光地とは思えないほど人の気配がなく、時間まで止まってしまったような静寂だった。
遠くに目をやると、3人がゆっくりとカヌーを漕いでいる。
湖畔にはロードバイクが一台、無造作に置かれていた。
そのすぐそばでは、男性が草の上に寝転び、この雄大な景色と静かな時間を独り占めしている。
慌ただしい日本での日常から遠く離れ、何もしないことが、こんなにも贅沢に感じられる場所。
長い移動の疲れも忘れ、しばらくカメラを構えることさえ忘れて眺めていた。
カナディアンロッキーの旅は、この静かなバーミリオン湖から始まった。

Welcome
私のホームページをご覧いただきありがとうございます。
私は趣味で35年間、写真を撮り続けています。
これまでに100ヶ所以上、世界中の絶景を巡り、自然の美しさやその瞬間の感動をカメラに収めてきました。
広大な山岳地帯、静寂の中にたたずむ湖、そして夕陽が染める壮大な空。
写真を通じて、旅先で出会った風景やその土地の空気感、光と影の調和をお届けしています。
このホームページでは、これまで撮影してきた写真のギャラリーを中心に、私が訪れた場所のストーリーや撮影の裏話も掲載しています。
「世界の美しい瞬間を共有したい」という思いで始めたこの趣味が、今では多くの人々と感動を分かち合える喜びになりました。
ぜひ、私の写真を通じて、世界の素晴らしさを感じていただければ幸いです。
2027年、来年の撮影旅行は、アイスランドとパリを巡る計画を立てています。
今回の旅のテーマは、「街の記憶と、地球の鼓動」。
華やかな都市の片隅に息づく人々の日常と、火山や氷河が生み出した圧倒的な大自然。
その対照的な二つの世界を、自分の目で確かめ、写真として残したいと考えています。
パリでは、名所を巡るだけではなく、街を歩きながら出会う何気ない瞬間をスナップする予定です。
朝のカフェに差し込む柔らかな光、石畳を急ぐ人々、セーヌ川沿いを歩く老夫婦、雨に濡れた路地、歴史ある建物の壁に落ちる影――。
観光写真とは少し違う、そこに暮らす人々の息遣いや街の空気まで写し込みたいと思っています。
撮影の中心に据えるのは、M11pとLeica SL3-P。
M型ライカでは、ファインダーの中で光と距離を確かめながら、街と静かに向き合います。
シャッターを切るまでの時間も含めて楽しめるのが、ライカで撮るパリの魅力です。
一方、SL3-Pでは、移り変わる光や人の動きを捉え、M型ライカとは異なる視点から街の表情を記録します。古い建物と現代的なファッション、歴史ある街並みを行き交う若者たち。
変わらないパリと、絶えず変化していくパリ。
その両方を写し取れたらと思っています。
パリからは、ノルマンディー地方にも足を延ばします。
目的地は、海の上に浮かぶようにそびえるモン・サン・ミシェル。
ここではSONYのαシリーズを使い、遠景から建築の細部、夜明けや夕暮れの光まで、さまざまな表情を撮影する予定です。
潮の満ち引きによって刻々と姿を変えるモン・サン・ミシェル。霧の中から静かに現れる姿、夕陽に染まる修道院、夜の闇に浮かび上がるシルエット。
天候や光の条件が整えば、長い歴史の中で人々が見つめてきた風景を、自分なりの一枚に残したいと思います。
そして、今回の撮影旅行における最大のハイライトがアイスランドです。
「炎と氷の国」と呼ばれるアイスランドには、火山、溶岩台地、巨大な氷河、黒い砂浜、荒々しい海岸線、そして地熱によって噴き上がる蒸気など、同じ地球上とは思えない風景が広がっています。
特に訪れたい場所が、アイスランド南部のダイヤモンドビーチです。
レンタカーを借り、レイキャビックを起点に陸路で巡る計画を立てています。
旅程を計算すると、総走行距離はおよそ2,000キロ。
決して短い距離ではありませんが、自分のペースで車を走らせ、気になる風景に出会ったら立ち止まり、光が変わるのを待つ。
撮影旅行だからこそできる、自由な旅にしたいと思っています。
ダイヤモンドサークル周辺には、巨大な滝や火山地帯、地熱地帯、湖、渓谷など、アイスランドを象徴する景観が凝縮されています。
道路の向こうに広がる荒野、雪を残した山々、雲間から差し込む一筋の光。
目的地だけではなく、そこへ向かう途中の風景にも、数多くのシャッターチャンスがあるはずです。
地上からの撮影に加えて、レイキャビックからプライベートヘリコプターをチャーターし、上空からの撮影にも挑戦する予定です。
空から眺めるアイスランドは、地上から見る景色とはまったく異なる表情を見せてくれるでしょう。
黒い溶岩台地の上を流れる川、幾重にも枝分かれした氷河湖、火山が刻んだ巨大な地形、白い氷と黒い大地の境界線。高度が上がるにつれて、人間の存在は小さくなり、地球そのものが生きていることを実感できるような景観が現れるのではないかと思います。
まるで違う惑星を飛んでいるようなランドスケープを、上空から一枚一枚丁寧に記録したい。
単に美しい風景を撮るだけではなく、火山のエネルギーと氷河の静けさ、そして長い年月をかけて形づくられた大地の姿を、自分なりの視点で表現したいと考えています。
アイスランドの氷河は、地球温暖化によって少しずつ姿を変えています。
今、目の前に広がっている風景が、10年後、20年後にも同じ姿で残っているとは限りません。
だからこそ、2027年のアイスランドを写真として記録することには、大きな意味があると思っています。
パリの街角に刻まれた人間の歴史。
モン・サン・ミシェル。訪れるのは実に25年ぶりです。
モン・サン・ミシェルが見つめてきた長い時間。
そして、火山と氷河によって今も変化を続けるアイスランドの大地。
街の中にある一瞬の物語と、地球が生み出した悠久の風景。
2027年の旅では、その両方をレンズ越しに見つめながら、光と影、静けさと力強さ、
そして美しさの奥にある時間の流れを写真に刻んでいきたいと思います。